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スク水の布の感触と、そのなかで息づく豊満なおっぱいの柔らかさを今度は胸板に感じ、一気に体熱が上昇する

庵乃音人

夏海は熱烈に、貴史の身体を掻き抱いた。スク水の布の感触と、そのなかで息づく豊満なおっぱいの柔らかさを今度は胸板に感じ、一気に体熱が上昇する。
「な、夏海ちゃん……あっ……」
「貴史……貴史の馬鹿……んっ……」
言いながら、狂おしい勢いで唇を押しつけてきた。呼び捨てではあったが、初めて名前を呼ばれた。貴史は突然の成り行きに戸惑い、慌てて身体を押し返そうとする。
「夏海ちゃん……ねえ、急にいったい……どうしたの……ちょっと……」
「急にじゃないもん……ずっと……ずっとだったんだもん……」
だが夏海はせつない力をいっぱいに漲らせて抵抗し、なおも口を求めてきた。
「夏海ちゃん……あぁ……」
(「ずっと」って……何が「ずっと」なんだ……)
「貴史……貴史……」
夏海の舌が口のなかに飛びこむ。溢れんばかりの激情に憑かれた接吻。意に反し、股間が疼いた。
(……えっ。もしかして、夏海ちゃんも俺を想ってくれてたとか?)
まさかと思い、己のうぬぼれを否定しようとする。
だが、しゃにむに唇を求め、舌さえ口のなかに差し入れてくる夏海の行為は、熱い恋情を訴えんとする以外の何ものでもなかった。

出典:~魅惑の桃尻温泉郷 女子大生と恋の四角関係 (リアルドリーム文庫)

著者: 庵乃音人

「夏休みって何か予定ある?」密かに恋い慕う大学の先輩・祈里の誘いで訪れた山村。そこで青年は祈里の友人・志摩子の縁談を断るために偽りの婿候補として“お試し婚”をすることになる。祈里への恋心を抱えながらも縮まる志摩子との距離。さらに志摩子の妹も巻き込み、交錯する恋の行方は!?