「先にお風呂ね……。体中、砂まみれよ……。あそこにも砂が入ってそう……」
微笑みが相変わらず艶めかしい。咲枝の家の中に入り、そのまま浴室へ向かう。廊下を歩く途中、携帯の着信音が鳴り響いた。健太のではない。
「あら、メールだわ。ちょっと待ってて」
咲枝はリビングに小走りで向かう。健太は揺れ動く尻を見つめたままだった。
(咲枝さん、今度はどのようにしてくれるのかな……。何を教えてくれるのだろう)
咲枝なら、まだまだ何か奥の手を持っていそうだった。その咲枝がリビングから廊下に出てきた。少し、困惑気味の顔をしていた。
「どうしたの?メールで何か……」
咲枝は携帯メールに記された文面を健太に見せてくれた。
「これって……」
「そう……。イヤぁね……。あの子ったら、あたしの邪魔ばかりして……。何よ。明日帰るって言ってたのに、今夜、しかも、もう、島の港に着いたなんて……」
「それじゃ、十分後にはここに……」
咲枝はうなずいた。べつに慌ててはいないようだった。
「僕、帰るから……。見られたらまずいでしょう……」
「ううん、いいのよ、別に……。でも、そうね。あの子があなたを見たら、絶対嫉妬し、誘惑しそう……。義理とはいえ、母と娘で、あなたを巡って争うのも……」
「そんなことないだろうけど、でも僕、帰りますから……」
「待って。体の砂だけでも流してあげるから……。大丈夫よ。タクシーで来るのでしょうけど、すぐにはタクシー、掴まらないから……」
咲枝はあくまでも堂々としていた。健太を促すと浴室に行き、シャワーで健太の体に付着している砂を洗い流してくれる。それだけではなかった。綺麗になった健太の前にしゃがむと、「ああ、悔しい……。これからだっていうときに……」と忌々しそうに言い放ち、そのまま深々と健太の肉棒を咥え、音を奏で、舐め、しゃぶる。
「ああ、咲枝さん、そんなことしたら……」
健太の及び腰に、咲枝は含みのある目で見上げながら、口中から肉棒を解放する。
著者: 小鳥遊葵
「じっとしてて……これは大人になる儀式だから」少年のズボンからたくましい肉茎を引き出す美熟女。絡まる指先、深々と呑み込む唇、顎を伝う雫……祭りの夜、年上の女が若者の筆おろしをする島の風習。教え導くはずが、性の愉悦に溺れていく35歳。留美子、咲枝、由美……海の女は淫らで美しい。