「サワコ、お近づきのしるしに熱いキスをしましょう。舌を出してください」
と、紳士ぶった言葉で命じた。
「ううっ……」
佐和子は恥辱感に身体を熱くした。が、夫を守るためには仕方なかった。
おずおずと差し出した舌を、中尉の舌がすくいあげるように舐めはじめる。
(くううーっ)
佐和子は眼を閉じて顔をしかめ、背筋を走る悪寒を懸命に耐えた。
煙草のヤニ臭さ、ヌラヌラした男の舌の感触に吐き気がした。
「むうううッ!」
(い、いやッ!)
舌を絡めとられると同時に、ぶ厚い唇がベチョッと吸い付いてきた。背骨が折れるかと思うほど荒々しく抱きすくめられ、柔らかい双の乳房がひしゃげた。
(いやあああッ!)
出典:~敗戦国の人妻 (フランス書院文庫) ~
著者: 御堂 乱
「全員、裸で壁際に並んで、尻をこっちに向けろ」夫の目の前で、餓えた獣たちの餌食になる令夫人。愛する娘をかばうため、兵士に強姦される人妻。収容所内で淫らな性的拷問にかけられる美母娘。縛られ、穢され、弄ばれ……無残に横たわる裸身。敗戦国を舞台に御堂乱が描く壮大なハードロマン!