「あ、あ……も、もう、駄目……」
初美はかけ下ってくる便意に肛門の痙攣を自覚した。今からでは縄を解かれても、とてもトイレまではもちそうにない。それでも初美は哀願せずにはいられなかった。
「は、はやく、おトイレにッ……ああ、もう、もう、出ちゃう……」
「しようがない初美さんだね。じゃあ、これにひりださせてあげるかな、フフフ」
達也はわざとらしく言うと、洗面器を取りあげて、初美の双臀にあてがう。
「そ、そんなッ……」
初美の美貌がひき痙った。達也はここで排泄させる気なのだ。たとえ夫でも見せられない行為なのに。
「いやッ……ここでは、いや、絶対にいやですッ……お、おトイレに……」
「初美さんが浣腸されてどうなるか見たいと言ったのを忘れたのかい。フフフ、初美さんがどんなふうにウンチをするのか、じっくり見せてもらうよ」
「そんなこと狂ってるわッ……いや、ああ、ここではいやよ……達也くん、そんなバカなことはやめて」
排泄行為を見たがる達也が、初美には信じられない。達也は本当の変質者だという恐怖が、駄目押しのように襲ってくる。そして、荒々しい便意もすぐそこまでかけ下った。
(ああ、もう、駄目ッ……ど、どうすればいいの……ああ……)
排泄行為を見られるという恐怖と絶望とがドス黒く初美をおおった。
「た、たすけて……」
「オーバーだな。本当はひりだすところを見られたいんだろ。初美さんは露出狂のマゾだと自分でも言ってたじゃないか」
「そ、そんな……」
反発する余裕もなく、初美は弱々しくグラグラと頭をゆらした。
著者: 結城彩雨
(あの子に見られたりしたら、私たち、破滅よ……)背後から息子の悪友に貫かれ、恍惚に喘ぐ初美は、誰にも見せたことのない淫らな牝の顔を浮かべていた。体育館、通学電車、寝室…時と場所を選ばない狼たち。最後の矜持を振り絞る美母の想いを打ち砕くように、物陰から覗き見ている我が子の手には浣腸器が!