ようやくシリンダーが押され、初美の肛門から薬液が注入されはじめたのは、バスが次の停留所にとまって、五、六人の乗客が乗りこんできた時だった。
(あ、ああッ)
なんとか歯をくいしばって声は抑えたものの、初美は生きた心地もない。
乗りこんできた乗客は男ばかりで、みんな初美の美しさに驚いたように見つめてきた。まさか初美がスカートの後ろをまくられて、裸の双臀に浣腸されているところだとは気づかないようだったが、初美はすべてを見られてあざ笑われているような錯覚に陥った。
その間もドクッ、ドクッと薬液が入ってきて、初美の双臀はブルブルとふるえた。吊り革につかまっていないと、膝が崩れそうで、腰に力も入らない。
「黙ってちゃ駄目だろ、初美さん。どんな気持ちか教えなきゃ」
達也は初美がじっと黙って耐えることを許さない。他の乗客のことなどまるで気にせず、むしろその存在を楽しんでいるようだ。
「ボクの言うことが聞けなきゃ、バスのなかで素っ裸にしてみんなに輪姦させたっていいんだよ、初美さん」
そうささやかれると、初美は従うしかなかった。単なるおどしではなく、達也なら本気で平然とやるだろう。
「ああ……と、とっても上手だわ……初美、浣腸で感じてるわ……」
他の乗客に聞こえやしないかと、初美は消え入るような声で後ろの中学生に向かって言った。言いながら本当に感じている自分が、初美は恨めしい。達也に会うたびに、ますます自分の身体は淫らに堕ちていく。
著者: 結城彩雨
(あの子に見られたりしたら、私たち、破滅よ……)背後から息子の悪友に貫かれ、恍惚に喘ぐ初美は、誰にも見せたことのない淫らな牝の顔を浮かべていた。体育館、通学電車、寝室…時と場所を選ばない狼たち。最後の矜持を振り絞る美母の想いを打ち砕くように、物陰から覗き見ている我が子の手には浣腸器が!