傍観者の存在を忘れ睦み合う男女の上に、影が差し、甘い雫がポタリ、滴った。反射的に頭上を仰いだ美幸と、影の主──朱里の視線がかち合う。
「駄目っ朱里さん!……きゃっ」
賢太の胸板に両手をついて腰振りに集中し始めていた矢先でもあり、朱里に肩を押されるがまま。美幸は後ろ方向へ仰け反る事を余儀なくされた。
「うぁ!?」
結合部にひねりが加わり、賢太の口からも動揺と喜悦の響きが迸る。
「……ッッ、はっ、はぅ……。うぅ……朱里さんっ」
恋人との接地面積を減らされ、乳への愛撫も中断された。当然、美幸は姿勢を立て直すなり不満をぶちまける。股間の疼きに震えながらの訴えをさらりと受け流し、朱里がほくそ笑む。
「あ、朱里姉ちゃん?まさか」
真下から見上げると、股を伝う汁気の多さがより際立つ。三者の内で最も濃い茂みの下で、頭を出したクリトリスが汁を被ってテカり、ヒクついている。
予感に駆られた賢太が、ざわめく心と裏腹に、肉の棒を漲らせた。隠しきれぬ賢太の期待衝動に揺さぶられ、美幸が甘い呻きと共に腰を揺する。
「その、ま、さ、か。ふふっ。お邪魔、しまぁ~す」
「んぶ!」
予想通り顔面に腰を押し付けられ、勢いもそのままに賢太の後頭部が敷布団に沈む。再度仰向けに寝る姿勢となって、顔面に朱里、腰の上に美幸。
「朱里さん、賢太さんが苦しがってます。早く、退いて」
「嫌がってるんじゃなく悦んでるの。ずっぷし嵌めてるチンチンの反応で、わかるでしょ?……ほら、ほらぁ」
向き合う形で跨がり争う二人の形相が見られないのは、幸いというべきか──。惑いながら肉棒を震わせた賢太の顔の上で、朱里の腰が躍りだす。横に回されたかと思えばグイグイと鼻先に摺り付き、甘酸っぱい牝臭を放ち続ける。朱里の性的興奮のしるし──理解したそばから、吸い入れた牝臭に意識が蕩かされてゆく。
出典:~ときめきアパート性活 愛しの管理人さんと魅惑の隣人たち (リアルドリーム文庫) ~
著者: 空蝉
ひとつ屋根の下 恋色の陽だまり ボロアパートに独り暮らしをする浪人生・賢太は、一癖も二癖もある隣人たちと深い仲になる。「初めてのおっぱいの感触はどう? 柔らかい?」妖艶な美女・朱里に自信をつけさせてもらった賢太は思いを寄せる管理人の美幸とも心の距離を詰めていくが、なかなか一線を越えられずにいた。浪人生に春は来るのか!?日常に密着したエロス、リアルな舞台設定で送る官能小説レーベル!