脳を灼く羞恥、だがそれを上まわる強烈な快感だった。異様なまでの昂りに激しく官能を燃えあがらせて、マレーナは豊満なヒップをうねり舞わせた。もう夫と二人の子供たちの視線も気にならない。
「凄いじゃないか、奥さん」
人妻の甘美な収縮を味わいながら、髭ヅラは声をうわずらせた。たわわな白い肉の悶えがたまらない。悩ましく身をくねらせながらの狂おしい腰の旋回に、互いの陰毛が擦れ合って焼け焦げてしまいそうだ。
「色っぽい顔しやがって。そんなに気持ちいいのか」
「気持ちいいっ、あうっ、あうっ、気持ちいいいっ」
もう牝の嬌声が止まらなかった。せわしない喘ぎと共に、性色に染め抜かれた肌が熱ロウの汗をしたたらせる。早くも昇りつめそうなのか、尻のバウンドとグラインドは最高潮に達した。
「あああっ、も、もうっ……」
「ヘヘヘ、そんなに焦るなよ。じっくり愉しもうじゃねえか」
数回射精しているので髭ヅラは余裕だ。つながったまま上体を起こすと対面座位に持ちこんだ。今にも気をやりそうな人妻を胡坐座りの膝に跨らせ、今度は自分でも腰を揺すりはじめる。
「い、いやっ」
抱きすくめられ、唇を奪われそうになると、マレーナは後ろへのけぞってブロンドの髪を振りたてた。騎乗位の時は快感に没入できたが、今は違う。夫でない男の顔が眼前にある。犯されているという事実から目をそむけることができなかった。
出典:~敗戦国の人妻 (フランス書院文庫) ~
著者: 御堂 乱
「全員、裸で壁際に並んで、尻をこっちに向けろ」夫の目の前で、餓えた獣たちの餌食になる令夫人。愛する娘をかばうため、兵士に強姦される人妻。収容所内で淫らな性的拷問にかけられる美母娘。縛られ、穢され、弄ばれ……無残に横たわる裸身。敗戦国を舞台に御堂乱が描く壮大なハードロマン!