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寝そべる青年の顔面に跨がる格好で、一つ年下の少女が腰を下ろしている──

空蝉

素直に従う事に決め、賢太は目を閉じて、仰向けに絨毯の上に寝転がった。
そのまま、次の指示が来るものと思い、状況を視認できない不安を抱えた賢太が待ちわびていると。
「んっ、しょ……」
頭上で結の声が響き、同時に何か──迫り来る気配を感じた。反射的に目を開けようとして、「駄目」と短い注意を、やはり頭上から届く声にされる。
「むぐぅっ!?」
結局黙って待つ決断をした、直後。顔面に、丸く柔らかな重みがのし掛かるのを感じ、反射的に呻きを発した。
「暴れないで。先にお姉ちゃんを泣かせた罰。受けてもらうから」
罰と言う割に、妙に弾んで聞こえる結の声に、違和感を覚えつつ。顔の上の物体の正体を確かめるべく、賢太は誓いを破り目を開けた。
視界に映るのは、黒一色。みっちり密着されているため判然とはしないが、弾力と温みから、肉の類だと知れる。
(ま、さか。これって……)
すべすべの触れ心地は、ちょっと力を入れると裂けてしまいそうな繊維質。その向こうに白っぽい物が透けて見え、顔の上に乗る全体が賢太の呼気に合わせてモゾモゾ蠢いている。
「あまり、息かけちゃ、ヤ……んっ」
呼気吹きかかる臀部を揺すりながら、結が小声で、甘みを含む声を上げた。
(結ちゃんの、お、お尻!?)
寝そべる青年の顔面に跨がる格好で、一つ年下の少女が腰を下ろしている──。
状況を理解した瞬間、その破廉恥な姿勢を頭の中に思い浮かべてしまい、賢太は鼻の奥が熱くなるのを感じた。次いで、慌てて立ち上がろうと考える。

出典:~ときめきアパート性活 愛しの管理人さんと魅惑の隣人たち (リアルドリーム文庫)

著者: 空蝉

ひとつ屋根の下 恋色の陽だまり ボロアパートに独り暮らしをする浪人生・賢太は、一癖も二癖もある隣人たちと深い仲になる。「初めてのおっぱいの感触はどう? 柔らかい?」妖艶な美女・朱里に自信をつけさせてもらった賢太は思いを寄せる管理人の美幸とも心の距離を詰めていくが、なかなか一線を越えられずにいた。浪人生に春は来るのか!?日常に密着したエロス、リアルな舞台設定で送る官能小説レーベル!