(だめだ、こんなの見ちゃ……あっ……)
必死に自分を律して胸元から目を離そうとした貴史は、つい大声を上げそうになる。
さっきから盛んに祈里の髪に悪戯をしていた風がひときわ強くバスのなかに吹きこみ、膝までしかないワンピースの裾をふわりと翻えらせたのだ。
(あぁ、祈里先輩の生ふともも……)
貴史の狼狽は、さらに激しさを増した。剥き出しになった胸の谷間に張りついたようになっていた視線が、今度は下半身に注がれる。
涼やかな風がスカートをめくれ返らせ、もっちりしたふとももを露わにさせた。
しかも今日の祈里は「暑いから」と言い、ストッキングも穿かず生足でいた。
枕代わりになった貴史は祈里を起こさないよう気をつけながら、淫欲を滲ませた視線を剥き出しのふとももと、ワンピースに覆われた股間に注いだ。
祈里は見事な巨乳美女だったが、同時に驚くほど張り出した圧巻の臀部を持つ女性でもあった。えぐれるようにくびれた細い腰から一転して、まん丸と膨らんだ逞しいお尻がはちきれんばかりに盛りあがっている。
まるでコーラのボトルを思わせるくびれと張り出しのコントラスト。加えて、より正確に言うなら、いささかバランスを失するほどに、祈里の尻は大きかった。
だが貴史にはそれがたまらない。色白でむちむちした女体に性的魅力を覚えるタイプで、豊満なおっぱいや逞しい肉尻が大好きだった。
特に巨大な白桃を思わせる巨尻は最重要ポイントだ。
美しい女性の、プリプリと揺れる大きなお尻を見るだけで、その女性に思いきり甘え、お尻の谷間に顔を埋めたり、柔らかな尻肉を鷲掴みにして思いのままにまさぐったりしてみたいという禁忌な願望に身を焦がしてしまう。
(あっ……)
そのときまたも風が吹きこみ、貴史をからかうように、スカートの裾をさらに上方にずりあげた。なおさら大胆に露出する健康的な生ふともも。乳房と同様、ふとももの肉もバスの揺れに合わせて小刻みに震えている。
風がもうひと吹きすれば、今度は股間を包むショーツまでもが露わになるだろう。
こういうのを蛇の生殺しというのではないだろうか──。
次第に身体が火照りだすのを感じながら、貴史はぴったりと閉じた二本のふとももと、今にも見えてしまいそうな祈里の股間に、焦げつく視線を注ぎ続けた。
出典:~魅惑の桃尻温泉郷 女子大生と恋の四角関係 (リアルドリーム文庫) ~
著者: 庵乃音人
「夏休みって何か予定ある?」密かに恋い慕う大学の先輩・祈里の誘いで訪れた山村。そこで青年は祈里の友人・志摩子の縁談を断るために偽りの婿候補として“お試し婚”をすることになる。祈里への恋心を抱えながらも縮まる志摩子との距離。さらに志摩子の妹も巻き込み、交錯する恋の行方は!?