息苦しさの中でマレーナは意識を取り戻した。
兵士らの相手をさせられているうちに気を失ってしまっていたのだ。
息苦しさの原因は、身体を不自然に折り畳まれていることだった。テーブルの上で、いわゆる「まんぐり返し」に転がされ、身動きできぬよう両足首をつかまれていた。
顔のすぐ上に、勃起した男性器の裏側が見えた。まだ朦朧とした意識でぼんやりとそれを見ているうちに、奇妙な違和感を覚えた。
男性器は比較的小さく、毛も生えていなかった。
(えっ!?……ま、まさか!……)
不吉なものを感じて、マレーナは息を呑む。
「あ、ああっ……」
心臓が凍りつくような恐怖が彼女の裸身をこわばらせた。
「どうやらお目覚めのようだぜ」
髭ヅラの声がした。
出典:~敗戦国の人妻 (フランス書院文庫) ~
著者: 御堂 乱
「全員、裸で壁際に並んで、尻をこっちに向けろ」夫の目の前で、餓えた獣たちの餌食になる令夫人。愛する娘をかばうため、兵士に強姦される人妻。収容所内で淫らな性的拷問にかけられる美母娘。縛られ、穢され、弄ばれ……無残に横たわる裸身。敗戦国を舞台に御堂乱が描く壮大なハードロマン!