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夥しく振動するヘッドが下草の穂を軽く掠めただけで、もう恐ろしさで絶息せんばかりである

鳴瀬夏巳

「そんなっ。イヤですっ。それだけはっ、それだけは絶対イヤあっ!」
激しく狼狽して検診台をぐらつかせる恵子の前で、宇野の手がスイッチを鳴らした。ブーンッという不吉この上ない微音が淫靡に響きはじめた。
「怖がることはない。私は医者だ。恵子君の耐えられる限界ぐらい見極めてやる」
宇野がにやりと笑いつけ、電マのヘッドをゆっくりと秘所に向けていく。
たまらず恵子は検診台の上で腰を引いた。けれど逃れられるはずもなかった。夥しく振動するヘッドが下草の穂を軽く掠めただけで、もう恐ろしさで絶息せんばかりである。
「お願いです、勘弁してくださいっ。おかしくなるんですっ。た、助けてっ……あ、ひいいーっ!」
恵子は全身を震撼させた。忌まわしくも快美すぎる電流が知覚神経を走り、身体を芯からしびれさせる。ほんの一瞬、恥蕾の突端にヘッドが触れたのだ。ヘッドが一旦離れても、はあっ、はあっ、と荒い息が収まらない。一瞬の快美にもかかわらず、余韻がどんよりと身を包んだ。力なく首を折ると、男たちの冷笑が周囲から一斉に降りかかった。
一生この手から放すまいとでもいう手つきで乳房をねちっこく揉みまわし、あるいは指先で乳首をピンッ、ピンッと弾きながら、久保川が恵子の面貌をしげしげと凝視する。
へらへらと軽薄な笑い顔が癪にさわった。けれど言いかえす気力はない。恵子は淫らな検診台に大の字に張りつけられて、女の最も恥ずかしい秘所をさらす身である。なにを言いかえしたところで、二倍、三倍の冷笑が跳ねかえってくるのは目に見えている。涙を呑んで押し黙った。
「こんなパチものの検診台でも何十万円か払わされたんだ。元は取らせろ。死ぬほどイキまくって、わしらを楽しませるんだよ、恵子君」