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蛙のように水を蹴る際に大開きする両足の付け根に、淫毛が藻のように揺れている

小鳥遊葵

「さぁ、これで二人とも、すっぽんぽん。ああ、気持ち、いいわね。健太ちゃん、少し、泳ごう……」
腰ぐらいまでの水深のところから、咲枝は沖に向かってダイブする。さすがに島育ちの女だけに、綺麗なストロークのクロールで、咲枝は沖に向かって泳ぎ始める。
(綺麗だ。水を蹴るごとにお尻が見えて、しかも、全裸で泳いでいるなんて……)
健太も後を追う。スポーツは万能だった。水泳も得意だった。いくら達者な泳ぎでも、女の体力では若くて逞しい健太のスピードには敵わない。健太はすぐに咲枝に追いついた。すぐ真後ろにつく。咲枝が振り向く。妖艶な微笑みだった。
(あっ、咲枝さん、クロールから平泳ぎに変えた)
それはどう見ても、わざと平泳ぎに変えたとしか思われなかった。月明かりの下、咲枝の裸身の動きが透き通った水中に見えていた。平泳ぎに変えたことで、その動きが卑猥だった。
(あんなに足を拡げて……)
蛙のように水を蹴る際に大開きする両足の付け根に、淫毛が藻のように揺れている。
(凄い……。今度は背泳で刺激してくれるなんて……)
咲枝はすぐに、平泳ぎから、背泳ぎに変えていた。乳房が水面に浮かぶ。平泳ぎよりも鮮明に、股間を覆う淫毛がざわめくように水の流れに翻弄されていた。
砂浜から数十メートルぐらいのところで、咲枝は立ち泳ぎをしながら、健太を手招く。健太も立ち泳ぎしながら咲枝に近づく。
抱き合った。双方とも足だけで体勢を整えながら、唇を貪り、舌を絡め合う。アクロバティックな体勢にもかかわらず、島育ちの二人は巧みに立ち泳ぎしながら、舌を絡め、啜り合い、唾液を呑み合っていた。

出典:~熟女のやさしい筆おろし (フランス書院文庫)

著者: 小鳥遊葵

熟女のやさしい筆おろし

「じっとしてて……これは大人になる儀式だから」少年のズボンからたくましい肉茎を引き出す美熟女。絡まる指先、深々と呑み込む唇、顎を伝う雫……祭りの夜、年上の女が若者の筆おろしをする島の風習。教え導くはずが、性の愉悦に溺れていく35歳。留美子、咲枝、由美……海の女は淫らで美しい。