手は絨毯の上。初めに言い渡された指示をつい忘れて、伸ばした両の手で顔の上の尻肉をどかそうと試みて──。
「やぁん……っ」
ストッキングとショーツ。二重の薄布に覆われた臀部を撫でられた格好の結が、また甘い鳴き声を発した。
二の足を踏んでまごついていた所を捕らえられ、賢太の両手は結の腿の上へと引き立てられた。続いて被さってきた結の両手の平に握り込まれる。
左右とも手を繋いだ状態で、再度結のつま先による愛撫が、剥き出しの肉棒に与えられた。二本の足のかかとで挟み込まれた肉棒が擦り立てられてゆく。
(かかとの硬い感触と拙い擦り方が、うぅ……こんなの、我慢でき、ないっ……)
硬いかかとによる摩擦刺激は、手で扱かれるのよりだいぶ強め。反面、手よりも拙く不規則な分、賢太の胸には痛切な焦れが募った。
「結構、難しい。ん、ぅ、えいっ。滑る……この、逃げるなっ」
悪戦苦闘する結がまた腰を揺すり、賢太の鼻がストッキングの滑らかな表面を擦る。尻肉を掃き撫でられた結の声に混じる艶の頻度と濃度が増してゆく。
足コキ摩擦が回を重ねるにつれ、ストッキングに覆われた彼女の尻に蒸れた熱がこもり、腿の付け根や尻肉に汗が浮く。
ストッキング越しにではあったが、賢太の顔にもその火照りと汗ばみぶりは充分伝わっていた。
尻肉に押される青年の鼻孔に、汗とは違う甘酸っぱい匂いも流入する。朱里と肌を重ねた際にも味わった、発情した女性特有の体臭。性的興奮の証として分泌される匂い。結の興奮ぶりを示す、何よりの証拠。
嗅ぎ込むにつれて、賢太の身体全体も熱を孕んでいった。外出時と同様の着込んだ状態のままでいる事もあって、こもった熱気に汗ばみ、頭の芯から茹だってゆく。
出典:~ときめきアパート性活 愛しの管理人さんと魅惑の隣人たち (リアルドリーム文庫) ~
著者: 空蝉
ひとつ屋根の下 恋色の陽だまり ボロアパートに独り暮らしをする浪人生・賢太は、一癖も二癖もある隣人たちと深い仲になる。「初めてのおっぱいの感触はどう? 柔らかい?」妖艶な美女・朱里に自信をつけさせてもらった賢太は思いを寄せる管理人の美幸とも心の距離を詰めていくが、なかなか一線を越えられずにいた。浪人生に春は来るのか!?日常に密着したエロス、リアルな舞台設定で送る官能小説レーベル!