口腔内を好き放題に男の舌が暴れまわる。絡めとられた舌を痺れるほどに強く吸われて、佐和子は気が遠くなりかけた。反射的に押し返そうとした手をつかまれ、相手の股間へ導かれた。いつのまにジッパーを下ろしたのか、軍服のズボンの前開きからおぞましいものが突き出ている。灼熱した鋼鉄のようなそれを、佐和子は無理やりに握らされ、しごくよう強制された。
夫の命を質にとられているのでなかったなら、彼女はたとえ殺されてもそのような行為はしなかっただろう。卑劣な軍人の要求に屈して、佐和子は朱唇を奪われたまま相手の怒張したペニスをしごかされた。
「ムウッ、ムウウッ、ムウッ!」
(いやっ、こんなこと、いやですっ)
手の中の熱いみなぎりが怖ろしい。今にも破裂しそうなそれは、人の体の一部ではなく、なにか悪魔的な存在に思われた。
(くくくっ、たまんねえぜ)
出典:~敗戦国の人妻 (フランス書院文庫) ~
著者: 御堂 乱
「全員、裸で壁際に並んで、尻をこっちに向けろ」夫の目の前で、餓えた獣たちの餌食になる令夫人。愛する娘をかばうため、兵士に強姦される人妻。収容所内で淫らな性的拷問にかけられる美母娘。縛られ、穢され、弄ばれ……無残に横たわる裸身。敗戦国を舞台に御堂乱が描く壮大なハードロマン!