(何を考えてるんだ、俺は……)
卑猥な妄想を頭から振り払おうとする。
だが、一度イメージしてしまったエロチックな幻は簡単には消えてくれなかった。
素っ裸の女子高生は弓に矢をつがえると、的に向かってキリキリと弦をしぼり、両手を前後に突っ張らせた。妄想のなかの全裸の夏海は、踏ん張ったふとももの肉とふくらはぎをキュンと締まらせ、尻の側面もえぐれるように窪んでいた。
集中し、小刻みに腕が震える。それと同時に、志摩子や祈里には幾分劣るものの、十分巨乳といえる胸の膨らみが、できたてのプリンみたいに艶めかしく揺れた。
右手が矢を放し、弦がしなった。唸りを上げて、矢が宙を飛ぶ。
乾いた音がトーンと響き、矢が的を射た。
どんなもんだという顔で、小鼻を膨らませて貴史を見る。
出典:~魅惑の桃尻温泉郷 女子大生と恋の四角関係 (リアルドリーム文庫) ~
著者: 庵乃音人
「夏休みって何か予定ある?」密かに恋い慕う大学の先輩・祈里の誘いで訪れた山村。そこで青年は祈里の友人・志摩子の縁談を断るために偽りの婿候補として“お試し婚”をすることになる。祈里への恋心を抱えながらも縮まる志摩子との距離。さらに志摩子の妹も巻き込み、交錯する恋の行方は!?