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咲枝は朱色の上下のハイレグビキニを身に着けただけで、健太の前に現れ、悩ましく微笑む

小鳥遊葵

「どうかしら……。おばさんには派手かしら……」
「お、おばさんだなんて……。咲枝さん、とても、素敵です」
驚くのも無理はない。咲枝は朱色の上下のハイレグビキニを身に着けただけで、健太の前に現れ、悩ましく微笑む。
「そう……。よかったわ、健太ちゃんが気に入ってくれて……」
夏でも島の夜は急に訪れる。午後七時近くになると、それまで西陽を照り返していた海が鈍色に変わり、内陸の山々の向こうに陽が沈んだ瞬間、釣瓶落としのようにストンと闇に覆われる。いまがそうだった。
(咲枝さん、こうしてみると、凄い体をしている……)
まだ陽があるうちに目にした咲枝のビキニ姿が、周囲が闇に覆われても目に焼き付いていた。それがシルエットとなり目の前に浮遊し、まるで全裸の咲枝が闇の中に立っているようだった。
「そんなにジロジロ見ないで。こんなあたしだって、恥ずかしいのよ……」
恥ずかしい。留美子もそう言った。
(ママも裸を見られると、心底恥ずかしそうだった)
三人とも磨き抜かれたプロポーションを誇り、若いだけの女の子ではとうてい及ばない魅力に溢れているのに、熟女三人は共に、「恥ずかしい」と言う。健太にとって、その一言がとても新鮮だった。
(恥ずかしいだなんて……。こんなに凄い体なのに……)

出典:~熟女のやさしい筆おろし (フランス書院文庫)

著者: 小鳥遊葵

熟女のやさしい筆おろし

「じっとしてて……これは大人になる儀式だから」少年のズボンからたくましい肉茎を引き出す美熟女。絡まる指先、深々と呑み込む唇、顎を伝う雫……祭りの夜、年上の女が若者の筆おろしをする島の風習。教え導くはずが、性の愉悦に溺れていく35歳。留美子、咲枝、由美……海の女は淫らで美しい。