『少し目をかけてやってくれないか』
ユーゲント隊員のハンス・ギーベンラートからそう依頼されたのは、彼女にとってもっけの幸いだった。受付処理の時からシャルロットには目をつけていたからだ。お気に入りの美少女を自分の手でレズ調教できるし、総統の甥であるハンスに恩を売ることにもなる。同性愛者である彼女には一石二鳥、渡りに舟であった。それにしてもあのマレーナという人妻、連日ハンスに種付けされているようだが、ずいぶんと気に入られたものだ。まあお蔭でこっちも娘の方を誰はばかることなく独占できる。
ベッドの上で身を縮める少女の裸身を後ろから抱きすくめ、ブロンドのお下げ髪をたくし上げた。透き通るように白くて細いうなじにチュッ、チュッと熱烈な口づけを浴びせかけた。
「や、やめて……やめてください」
ゾクゾクと背筋に悪寒が走って、シャルロットは総身を粟立てた。ヒルダの両手が前にまわって乳房をまさぐり始める。
(ああっ、この人、異常だわっ)
キスされた時には、からかわれたのかと思ったが、この執拗さはそれが紛れもない特異な性的嗜好であることを示していた。
「やめて……」
「恥ずかしいのかい?可愛いねえ」
小ぶりな乳房をやわやわと揉みしだいては、先端の淡い色を指先でなぶる。残忍な性格と違って繊細な愛撫だ。
「どんな感じだい?えェ?」
耳たぶに熱い吐息を吹きかけて訊ねながら、乳首の陥没した乳暈を指の腹で優しくタップした。肉感的な太腿で少女の身体を挟むようにし、ガーターベルトしか着けていない下腹の秘毛を背中に擦りつける。
出典:~敗戦国の人妻 (フランス書院文庫) ~
著者: 御堂 乱
「全員、裸で壁際に並んで、尻をこっちに向けろ」夫の目の前で、餓えた獣たちの餌食になる令夫人。愛する娘をかばうため、兵士に強姦される人妻。収容所内で淫らな性的拷問にかけられる美母娘。縛られ、穢され、弄ばれ……無残に横たわる裸身。敗戦国を舞台に御堂乱が描く壮大なハードロマン!