「い、いけません……正気に戻って」
「私は正気だよ、いまだかつてないほどにね」
だが神父のギラつく眼には悪魔的な光が宿っている。
メリルは小刀を逆手に持ち、ロザリオの輝く修道女の胸元に当てた。
「いやっ……ああっ、やめてっ」
(ああ、主よ、お救いくださいッ)
必死の祈りも虚しく、黒いトゥニカがゆっくりと真一文字に裂かれていく。下着の純白スリップも一緒に裂かれ、シミひとつ無い雪の肌が露わになっていった。むろんパンティやブラジャーのたぐいは着けていない。薄いスリップの下は裸である。
「いやあああっ」
「おお……素晴らしい」
小刀を足元に落とし、メリルは感嘆の吐息を洩らした。
黒い布地の裂け目に、夢にまで見た教え子の裸身がのぞいている。モノクロームの退屈な世界は破れ、その奥に秘匿されていた罪深い──だが匂い立つほど色鮮やかな世界が神父の前に立ち現れた。
出典:~敗戦国の人妻 (フランス書院文庫) ~
著者: 御堂 乱
「全員、裸で壁際に並んで、尻をこっちに向けろ」夫の目の前で、餓えた獣たちの餌食になる令夫人。愛する娘をかばうため、兵士に強姦される人妻。収容所内で淫らな性的拷問にかけられる美母娘。縛られ、穢され、弄ばれ……無残に横たわる裸身。敗戦国を舞台に御堂乱が描く壮大なハードロマン!