三人の兵士と共に、軍服を着たガイウスの巨躯が現れた。
「へら」のように先端を平べったく削った木の棒を右手に持ち、左手には鎖の端を握っている。
四つん這いの格好で箝口具を噛まされ、首輪に付いた鎖をガイウスに引かれているのは、眩いブロンドの髪が美しい若い女性──しかも一糸まとわぬ素っ裸だ。
群衆のざわめきが大きくなった。彼らのオペラグラスがガイウスでなく、犬のように這わされている美女の裸身に向けられたのは言うまでもない。
「見るがよい、エルメス人ども」
軍服の胸に付けたピンマイクが、ガイウスのだみ声を響きわたらせた。
「この全裸の女は、ここ最近世間を騒がせていた『白いブリザード』なる不埒な盗賊一味の女リーダーだ」
オーッと広場じゅうがどよめいた。
出典:~敗戦国の人妻 (フランス書院文庫) ~
著者: 御堂 乱
「全員、裸で壁際に並んで、尻をこっちに向けろ」夫の目の前で、餓えた獣たちの餌食になる令夫人。愛する娘をかばうため、兵士に強姦される人妻。収容所内で淫らな性的拷問にかけられる美母娘。縛られ、穢され、弄ばれ……無残に横たわる裸身。敗戦国を舞台に御堂乱が描く壮大なハードロマン!