人とすれ違うたびに振りかえらないでと必死に祈り、初美は膝とハイヒールがガクガクして、その場にうずくまってしまいそうだった。それでなくても道行く人が皆、初美を見てあざ笑っている錯覚に陥る。
「ああ……もう、かんにんして……こ、こんな、あ、ああ……」
さっきから初美を狼狽させるのは、道行く人の目だけではなかった。初美は歩くたびに肛門の捻り棒が微妙に位置を変えて粘膜にこすれ、それがA感覚を刺激して、女の官能をさらにドロドロにとろけさせる。
「ああ、駄目……」
初美はキリキリと唇をかみしめた。もう初美の股間は媚肉から溢れた蜜でヌルヌルになって、足を進ませるたびにさらにジクジクと滲みでた。
「しっかり歩くんだ、初美さん。気分出すのはみんなに痴漢されてからだよ」
達也は肛門の捻り棒で初美の身体を支えるようにして、今にもしゃがみこんでしまいそうな腰をグイと起こし、前へ押しだすようにして強引に歩かせた。
少し行くと、前方から学生服の七、八人がこっちへ向かってくるのが見えた。
「あいつら待ちきれなくて初美さんを迎えに来たよ。フフフ」
「い、いや……」
初美はビクッと身体を硬くして、おびえた目ですがるように達也を見た。覚悟していたはずなのに、いざとなると身体がふるえだす。
たちまち中学生は近づいてきて、初美の前でとまった。
著者: 結城彩雨
(あの子に見られたりしたら、私たち、破滅よ……)背後から息子の悪友に貫かれ、恍惚に喘ぐ初美は、誰にも見せたことのない淫らな牝の顔を浮かべていた。体育館、通学電車、寝室…時と場所を選ばない狼たち。最後の矜持を振り絞る美母の想いを打ち砕くように、物陰から覗き見ている我が子の手には浣腸器が!
