「こっちも舐めてやれ」
髭ヅラがもう一つの穴を指して命じた。
(ママのお尻の穴……)
少年は認識したが、ためらいはしなかった。桜色のシワをすぼめた小さな穴にも、少年は唇を吸いつかせ舌でねぶりまわした。母が狂うと兵士たちが喜ぶ。興奮と自己防衛本能の二つが少年を衝き動かしていた。シワにそって丁寧になぞり、舌先を尖らせて菊坐の中心をくすぐった。
「ヒイイイーッ!」
ああっ、お尻の穴をっ!
初めて味わう感覚がマレーナを忘我の境から現実に引き戻した。
「ダ、ダメっ……そんなところ……ああっ、ダニエルっ」
息子に排泄器官を舐められている!
冷たい戦慄が背筋を走り、熱い官能の痺れと入り混じった。
「い、いやああっ」
全身が瘧にかかったように慄えた。
最後の力を振り絞ってマレーナは暴れた。
「いやっ、いやっ」
「ヘヘヘ、息子に尻の穴を舐められるのがそんなに嬉しいか」
髭ヅラがからかう。
「やめてえええっ」
マレーナは狂乱に髪を振りたてた。
「お尻はいや!お尻はダメえっ!」
出典:~敗戦国の人妻 (フランス書院文庫) ~
著者: 御堂 乱
「全員、裸で壁際に並んで、尻をこっちに向けろ」夫の目の前で、餓えた獣たちの餌食になる令夫人。愛する娘をかばうため、兵士に強姦される人妻。収容所内で淫らな性的拷問にかけられる美母娘。縛られ、穢され、弄ばれ……無残に横たわる裸身。敗戦国を舞台に御堂乱が描く壮大なハードロマン!