「そうと決まれば奥さん、介護を続行してください」
佳織は人身御供になった心境で、放尿の手伝いを再開した。
「そんなに悲しそうな顔をしないでよ。奥さんには笑顔が似合うよ」
佳織は夫に向けるのと同じ笑顔を作って、尿瓶を構えた。そして、恥ずかしいのを我慢して、伊吹のペニスをしっかりと握った。
「私がこうして支えていますから、どうぞオシッコを出してください」
「こぼれないように両目を見開いて、しっかりと見張っていてよ」
佳織は顔を赤くしながら、言われたとおりに伊吹のペニスを見守った。伊吹が排尿するところなど見たくはないが、こぼしては大変なので視線は外せない。伊吹のペニスがふくらんで、先端の穴から黄色い液体が勢い良く噴出する。
(ああっ、始まったわ、すごい勢いだわ)
いざこざがあったせいで、尿意が高まっていたのだろう。ジョボジョボと派手な音を出しながら放尿は長く続いた。
(ああっ、尿瓶の中に湯気が立っているわ。私の手にも熱が伝っているわ)
夫でもない男性のペニスをさわっていることに嫌悪しながらも、見守ることに集中する。男性の放尿する場面を目の当たりにしてしまい、佳織は少なからずショックを受けていた。佳織の目には、伊吹のペニスが危険な毒蛇のように見えていた。
(なんて異様な姿なの。まるで毒液を撒き散らしているみたいに見えるわ)
異臭がもれているのに気づいたが、息を止めるわけにもいかずに、佳織は伊吹の小便の匂いを吸い込んでしまった。
「あの、まだ終わらないのですか?」
「奥さんは俺の妻になったんだから、臭くても辛抱するんだ」
「は、はい。ごめんなさい。私、我慢しますわ」
伊吹の放尿は三分間も続いたが、佳織は片時もペニスから目が離せなかった。
「抜く前にオチン× ンを揺すって、雫を切ってよ」
「はい。わかりました。失礼します」
佳織は恥ずかしさにうつむいて、言われたとおりにペニスを揺すった。
(ああっ、こんなことをするなんて、とても惨めだわ)
佳織は一秒でも早く、伊吹の前から逃げ出したかった。気恥ずかしさもあったが、それ以上に緊張で息がつまりそうだった。病室にとどまっていたら、何を頼まれるかわからないと思った。
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