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一糸まとわぬ全裸に腰縄をつけたマレーナは、双臀を縦に割る形で股縄をくぐらせていた

御堂乱

(ああっ、ママ……)
収容所に連れてこられた日以来の母娘対面。しかしその母は黒い布で目隠しをほどこされ、こちらが見えてはいない。ああそれに、なんと惨めな、なんと破廉恥極まりない姿であることか。
一糸まとわぬ全裸に腰縄をつけたマレーナは、双臀を縦に割る形で股縄をくぐらせていた。その縄の端を口に咥えて噛みしばり、兵士に手を引かれながら顎を突き出すようにしてヨタヨタとガニ股で歩いてくる。ヒルダが言うとおり、とても我が子に見せられる格好ではなかった。
ショックを受けたのは娘のシャルロットだけではない。佐和子もまた、驚愕に息を呑んでいた。
(ああっ、なんて酷いことを……)
女性を生殖の道具として扱う民族浄化の光景には度胆をぬかれた。だが自分と同い歳位の人妻──しかも人品卑しからぬ美しい人妻が、親子ほども歳の離れていそうな少年の玩具にされている姿もそれに劣らず衝撃的だった。
それがいつもの奴隷奉仕の手順と定められているのか、部屋の中ほどに来て兵士が手を離すと、マレーナは自ら両手を頭の後ろに組み合わせ、目隠しでガニ股という心細い格好で、股縄の端を咥えたまま少年の横たわるベッドのまわりをヨタヨタと巡りはじめる。
白桃のような美しい乳房、細くくびれて婀娜っぽい腰、官能味をたたえて成熟したヒップライン──均整のとれた豊満な女体は同性の目も見惚れるほどに魅力的である。それだけに惨めなガニ股歩行が痛々しかった。だが、とりわけ佐和子を(そして娘のシャルロットを)瞠目させたのは、開き気味になった太腿の付け根付近、細い股縄を真一文字に食い込ませた女の丘に、あるべきはずの翳りが無かったことだ。

「全員、裸で壁際に並んで、尻をこっちに向けろ」夫の目の前で、餓えた獣たちの餌食になる令夫人。愛する娘をかばうため、兵士に強姦される人妻。収容所内で淫らな性的拷問にかけられる美母娘。縛られ、穢され、弄ばれ……無残に横たわる裸身。敗戦国を舞台に御堂乱が描く壮大なハードロマン!