浩が席につくと、お手伝いの弥生がケーキの蝋燭に火をつけた。
フリルのついた黒ワンピースに白いエプロン(ちなみにこのメイドファッションも浩の英国趣味のひとつである。彼によれば、巷で流行っている下品なフレンチメイドではなく、由緒正しいヴィクトリアンメイドだとのこと)を着け、栗色の美しい髪を白いリボンで束ねて後ろへ垂らした弥生は二十四歳になったばかり。お手伝いにしておくのは勿体ないほどの清楚系美人である。浩の遠縁にあたる彼女は、志津子と知美が越してくるのと同時に雇われたので、勤めはじめて五年になる。いわば家族の歴史と共にあるわけで、夫婦の信頼も厚く、食事も皆と共にとることを許されていた。
著者: 御堂乱
「どこまで許せば満足してくれるの? もう出てって」男の肉茎をしごかされながら悲壮な目で訴える志津子。二人組に占拠された高島家のリビングで続く凌辱の狂宴。妻の痴態を力なく見守る夫、婚約前の躰を穢される家政婦。ついには身を挺して守ろうとした愛娘の操までが……極限状態下に置かれた男女がさらけだす愛と性の真実!