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たしかに二十代のころと比べて身体全体に脂が乗り、乳房や尻はムチムチとした量感を増している

御堂乱

黒目がちの瞳を大きく見開いてみせた後、ショートカットの似合うボーイッシュな美貌をほころばせた。
「あらあら、知美さん、お行儀が悪いわよ」
娘をたしなめながらも、志津子は嬉しそうに眼尻を下げている。
艶やかな黒髪をアップに結いあげたヘアースタイルが、色白の瓜実顔によく似合っていた。白いブラウスと襞の多い濃紺のロングスカートは、保守的で時代遅れの感が無きにしもあらず。娘の知美から、「山の手の上流夫人」などとからかいの種にもされているが、実際に志津子は典型的な山の手のお嬢さま育ちであり、五年前に前夫と死別したことが、彼女にとって人生で初めて遭遇した唯一の災厄であった。
だが悲しみにかきくれたのも束の間、知人の紹介で知り合った大学教授の高島浩にひと目惚れされ、子連れで再婚してセレブ主婦の座におさまったわけだから、恵まれた女性はどこまでも恵まれているものである。
そんな志津子も今や三十八歳の女盛り。高校二年生の娘の母親なのだから、少しは肌のくすみもあるかと思いきや、まったくそんなことはない。
たしかに二十代のころと比べて身体全体に脂が乗り、乳房や尻はムチムチとした量感を増しているが、なめらかな真珠肌の美しさは少しも変わらず、いやそれどころか清純な娘時代にはなかった艶めかしさと女のフェロモンを加えて、ますます魅力的になっていた。

出典:~立てこもり 高島家すべての女が奴隷になった日

著者: 御堂乱

立てこもり 高島家すべての女が奴隷になった日

「どこまで許せば満足してくれるの? もう出てって」男の肉茎をしごかされながら悲壮な目で訴える志津子。二人組に占拠された高島家のリビングで続く凌辱の狂宴。妻の痴態を力なく見守る夫、婚約前の躰を穢される家政婦。ついには身を挺して守ろうとした愛娘の操までが……極限状態下に置かれた男女がさらけだす愛と性の真実!