「し、志摩子……口で……してもらうのは無理……?」
遠慮がちに言うと、志摩子は青い月明かりに照らされた美貌を柔和に微笑ませた。
「ううん。無理じゃないわよ……」
貴史の前に膝立ちになり、膝丈のジャージをトランクスごとずり下ろす。ジャージと下着を脱がされた反動で、雄々しく勃起した肉棒が若竹みたいにしなって露出した。
「すごく硬くなってる……」怒張を見つめる瞳に淫靡な光が滲んだ。
「シャワー浴びてないし、ちょっと臭いかも……」自分で頼んでおきながら、露わになった勃起ペニスがイカ臭い匂いを放っているのに気づき、貴史は焦燥する。
「臭くない。ううん……臭くてもいいんだもん……んっ……」
甘ったるい声で言い、志摩子は両手を貴史のふとももに当て、身を屈めて舌を突き出した。ザラザラした舌で亀頭を舐める。ちゅぱ、ぢゅるぱ。んぢゅ。ぴちゃ。
縁の部分、柔らかく張りつめた尿道付近、裏スジ──手で固定していないため、舐められるたびに竿がビクビク震え、勃起が上下にしなった。
「あぁ、き、気持ちいい……臭くない?」
志摩子はゆるやかにかぶりを振り、舌をあてがったまま、亀頭から棹の部分へとなぞる位置を下降させた。陰嚢付近まで舐め下ろすと、再び舌を上昇させる。
「んっ……んっ……貴ちゃん……」
「あぁ、志摩子……ゾクゾクする……」
亀頭から根元まで満遍なく舌で舐め立て、貴史の陰茎を唾液まみれにした。志摩子の涎は皺々の肉袋にまで垂れ流れ、糸を引いて床に粘り伸びる。
「もっと気持ちよくなって、貴ちゃん……これはどう?」
秘めやかな声で言うと、突然陰嚢に舌を擦りつけ、下から上へと何度も舐めた。
「うわっ、あっ、そ、それは……あぁ……」
貴史はうろたえた。陰嚢を舐められることがこれほど気持ちいいものとは知らなかった。志摩子は皺の一本一本を丹念に伸ばそうとするような熱心さで、どす黒い金玉袋を舌で愛撫する。ペニスといい陰嚢といい、まるで舌と唾液で一日の汚れを洗い清めてやろうとでもするような舐め方だ。
出典:~魅惑の桃尻温泉郷 女子大生と恋の四角関係 (リアルドリーム文庫) ~
著者: 庵乃音人
「夏休みって何か予定ある?」密かに恋い慕う大学の先輩・祈里の誘いで訪れた山村。そこで青年は祈里の友人・志摩子の縁談を断るために偽りの婿候補として“お試し婚”をすることになる。祈里への恋心を抱えながらも縮まる志摩子との距離。さらに志摩子の妹も巻き込み、交錯する恋の行方は!?