耳朶と股間に轟くじれったくも切ない悦の誘惑に、なけなしの理性で抗おうとする賢太の様を見て、また朱里の唇に微笑が浮かんだ。
「自信つけて。自分の手で、管理人さんを愛してあげたいだろ?」
そのために必要な事、そう思えばいい。囁き終えると同時に撫でさする手で賢太のズボンのジッパーを引き下ろし、慣れた様子でトランクスのゴム紐部分から侵入して、ガチガチに強張った肉勃起をじかに捕らえてしまう。
酔いのせいなのか、朱里の指も手の平も思いのほか火照り汗ばんでいる。その癖滑らかで絡みつくように肉棒をさするものだから、驚き慄きながらも呼応した肉棒が、悦びの熱と鼓動を吐き漏らす。
「っあ!朱里、さんっ……」
逃がさない、とばかりにカリ首の下辺りを握り込まれるに至って、浮きかけていた賢太の尻が観念したように再度絨毯に沈んだ。それを受諾の意思と受け止めた朱里の目が、にこりと優しく──この時の賢太にはそう映った──細められる。
出典:~ときめきアパート性活 愛しの管理人さんと魅惑の隣人たち (リアルドリーム文庫) ~
著者: 空蝉
ひとつ屋根の下 恋色の陽だまり ボロアパートに独り暮らしをする浪人生・賢太は、一癖も二癖もある隣人たちと深い仲になる。「初めてのおっぱいの感触はどう? 柔らかい?」妖艶な美女・朱里に自信をつけさせてもらった賢太は思いを寄せる管理人の美幸とも心の距離を詰めていくが、なかなか一線を越えられずにいた。浪人生に春は来るのか!?日常に密着したエロス、リアルな舞台設定で送る官能小説レーベル!