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うなじに頬ずりをし、熱湯を満たした風船みたいな巨乳をグイグイと押しつけながらペニスをしごく志摩子に、甘酸っぱいときめきを覚えた

庵乃音人

それにしても、今日の志摩子は実に大胆だ。東京で数日行動を共にしたときは、まさかここまで積極的な行動に出る女性だとは思いもしなかった。
「貴史さん、後ろ向いて」
緊張しているのが分かったのか、明るい声で志摩子が言った。
「え?あ、はい……」貴史はホッとし、言われるままにした。
後ろ向きになれば、恥ずかしい状態になってしまった股間を隠すことができる。
自由なスペースの少なくなった円形の風呂のなかで、貴史は志摩子に背を向けた。
「華奢に感じるけど、こうして見ると、意外に逞しいのね……」
志摩子は照れたように言うと、貴史の背中に片手を置き、そっと撫で始めた。
「あぁ……志摩子さん……」
相変わらず気は張っていたが、背中を優しく撫でられる感触には、得も言われぬ気持ちよさがあった。志摩子が動かす手は、肩付近から腰、尻のあたりまで貴史の肌を撫で、脇腹から腋の下までくすぐるようにさすってくる。
貴史はゾクゾクし、次第に気もそぞろになった。やがて手が背中から腹に移り、ゆっくりと撫で回し始める。もう少し手が下りたら、勃起したペニスに触れてしまいそうだった。貴史は慌てて「あの……」と言おうとする。そのときだった──。
「貴史さん!」
突然志摩子が背後から抱きついた。片手が貴史の股間に潜り、勃起した陰茎を掴む。
「あ、志摩子さん……」
お湯が派手に揺れ、飛沫が四散して湯船から溢れた。志摩子の身体はさっきよりさらに火照っていた。淫猥な熱を持った二つの乳房が、ぐにゃりと背中でつぶれる。
「はしたない女だなんて思わないでね……」
絞り出すような声で、志摩子が哀願した。うなじに顔を寄せ、甘えたそぶりで頬ずりをする。ペニスを握りしめた手がゆっくりと上下に動いた。生まれて初めて自分以外の手で陰茎をしごかれ、思いもよらない快美感の火花が閃く。
「あうぅ、志摩子、さん……」
「誰にでもするわけじゃないの。ほんとよ。こんなことするの、生まれて初めて。でも、私の気持ち、分かってほしくて……」
志摩子は貴史の首筋に接吻をし、チロチロと舌で舐めた。肉棒をしごかれる快感も相まって、貴史はつい「あぁ」と不様な呻きを漏らす。
「貴史さんのおちんちんがおっきくなってるのが分かって、ドキドキしちゃって……私の身体、貴史さんを興奮させてあげられてるの?だったら、嬉しい……」
「し、志摩子さん……あぁ……」
陰茎をしごく速度を上げつつ、志摩子が色っぽい囁き声で言った。熱い吐息を耳の奥に吹きこまれ、湯に浸かっているというのに鳥肌が立つ。
(志摩子さん、こんなにも俺を……)
うなじに頬ずりをし、熱湯を満たした風船みたいな巨乳をグイグイと押しつけながらペニスをしごく志摩子に、甘酸っぱいときめきを覚えた。
平凡を絵に描いたような、何の取り柄もない自分をここまで想ってくれている人がこの世にいたと思うと、感激と肉欲がいやでも盛りあがる。
肉棒をしごく手つきはぎこちなく、巧みさとはほど遠かった。
だが、それがかえって興奮を煽る。技巧ではなく心情に発情した。

出典:~魅惑の桃尻温泉郷 女子大生と恋の四角関係 (リアルドリーム文庫)

著者: 庵乃音人

「夏休みって何か予定ある?」密かに恋い慕う大学の先輩・祈里の誘いで訪れた山村。そこで青年は祈里の友人・志摩子の縁談を断るために偽りの婿候補として“お試し婚”をすることになる。祈里への恋心を抱えながらも縮まる志摩子との距離。さらに志摩子の妹も巻き込み、交錯する恋の行方は!?