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着物のことはよく分からないが、夜目にも鮮やかな淡黄色の生地に、舞い散る花びらのように、赤や白、紫などの花模様があしらわれた上品なデザインの振り袖だった

庵乃音人

門前の照明灯に照らされ、艶やかに微笑む振り袖姿の志摩子がいた。
着物のことはよく分からないが、夜目にも鮮やかな淡黄色の生地に、舞い散る花びらのように、赤や白、紫などの花模様があしらわれた上品なデザインの振り袖だった。
胸の下あたりにある帯は黒地に金色を基調にした模様が描かれ、帯の上には、さらに深い朱色の帯締めが巻かれている。艶やかに波打つ栗色の髪はアップにまとめられ、藤の花をモチーフにした髪飾りで優雅に装飾されていた。
「まあ、志摩子姉さん、綺麗」

出典:~魅惑の桃尻温泉郷 女子大生と恋の四角関係 (リアルドリーム文庫)

著者: 庵乃音人

「夏休みって何か予定ある?」密かに恋い慕う大学の先輩・祈里の誘いで訪れた山村。そこで青年は祈里の友人・志摩子の縁談を断るために偽りの婿候補として“お試し婚”をすることになる。祈里への恋心を抱えながらも縮まる志摩子との距離。さらに志摩子の妹も巻き込み、交錯する恋の行方は!?