「ふふ。賢太も。ちゃんと勃起してるね」
「うあ……っ、朱里……さんっ」
日頃のずぼらさからは想像もつかない繊細な手つきで、朱里の右手指が賢太の股間を撫で繰りだす。
ズボン越しの摩擦はじれったさを伴い、思わず呻いた賢太が姉貴分の顔色を窺った。そうして、弟の成長を慈しむようでもあり、事態を愉しんでいるのではとも思わせる、彼女の妖艶な微笑に魅入られる。優しさと貪欲さを併せ持つ手つきにも翻弄され、快癒の痺れが腰の芯に幾度も飛来した。
「ほら、感じるでしょ。おっぱいの感触。どう……?」
緊張に強張る青年の口元からあえて逃げ、肩先に乗せられたそれは、ふにふにと柔らかい。押し潰される肉感の重みと合わさって、否応なく牡の本能を揺さぶる。
それに酔いのせいか、火照り、汗ばんでいた。それがまた先刻「お姫様抱っこ」した美幸の体温を想起させ、朱里に失礼だとは思いつつ、さらに股間の猛りが増す。
「我慢しなくて、いいから」
「んぁっ」
耳に吹きかけられた吐息の熱っぽさ。触れそうで触れない距離を保ち、誘惑を紡ぐ唇の、ぼってりとした肉感。肩先に乗せられた乳房の重みと柔らかさに、勃起をさする手の動き。全てが連なり重なって、賢太の情欲を煽り育む。
出典:~ときめきアパート性活 愛しの管理人さんと魅惑の隣人たち (リアルドリーム文庫) ~
著者: 空蝉
ひとつ屋根の下 恋色の陽だまり ボロアパートに独り暮らしをする浪人生・賢太は、一癖も二癖もある隣人たちと深い仲になる。「初めてのおっぱいの感触はどう? 柔らかい?」妖艶な美女・朱里に自信をつけさせてもらった賢太は思いを寄せる管理人の美幸とも心の距離を詰めていくが、なかなか一線を越えられずにいた。浪人生に春は来るのか!?日常に密着したエロス、リアルな舞台設定で送る官能小説レーベル!