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だがブルブルと震える腰が、老医師の手からしたたり落ちる豊潤な果汁が、彼女の言葉を裏切っていた

御堂乱

「では触診をする。そのままの姿勢でいなさい」
剥き出しになった粘膜に、骨と皮だけの指が触れた。花びらをつまんでひろげ、ペンライトの光を当ててじっくり観察する。それから指を二本、慣れた手つきで秘壺に挿入した。
「あ、あああっ」
「じっとしていたまえ」
「そ、そんなっ……ふぐぐぐぐっ」
とてもじっとしてはいられない。膣奥の一番感じる部位を、二本の指で掻くようにまさぐられるのだ。明らかに触診にかこつけた愛撫だった。女の弱点を知り尽くした老獪なテクニックに、マレーナの腰はクナクナとよじれる。
(ああっ、そんなにされたら……た、たまんないっ!)
声をあげずにいるのがやっとだった。秘肉が疼いてドロドロにとろけだす。襞肉が老医師の指に絡みつくのが分かった。自分でも驚くほどに溢れ出していく。ああっ、もうダメえっ、と思った時、不意に指の動きが止まった。
「触診で濡らすとは、ずいぶん感じやすいんだな、三六四八番」
見上げる老医師の眼に冷たい軽侮があった。
「まったくお前らエルメス女ときたら──」
「ち、違います……濡らしてなど……ハアアッ」
マレーナは喘ぎながら弱々しく首を振った。だがブルブルと震える腰が、老医師の手からしたたり落ちる豊潤な果汁が、彼女の言葉を裏切っていた。自宅に押し入ってきた兵士らに烈しくレイプされたことで、マレーナは今まで知らなかった牝の悦びに目覚めてしまった。心が拒んでも肉体は被虐の快楽に脆くなってしまっている。異常であればあるほど羞恥を掻きたてられ、官能の炎が激しく燃えあがるのだ。それを思い知らせるかのように、老医師は花蜜に濡れた指をペロリと舐めて言った。
「酸味はちょうどいい。健康そのものだ」

「全員、裸で壁際に並んで、尻をこっちに向けろ」夫の目の前で、餓えた獣たちの餌食になる令夫人。愛する娘をかばうため、兵士に強姦される人妻。収容所内で淫らな性的拷問にかけられる美母娘。縛られ、穢され、弄ばれ……無残に横たわる裸身。敗戦国を舞台に御堂乱が描く壮大なハードロマン!