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ちゅぱちゅぱ、ぴちゃ、ぢゅるぷ。口と口が密着する部分から唾液が溢れ、二人ともあっという間に口のまわりがベチョベチョになる

庵乃音人

「あうっ……んっ……」
いつしか貴史は自ら積極的に首を突き出し、夏海の口と舌を吸った。
スク水の上からたわわな巨乳を片手で鷲掴みにする。厚くザラザラした布越しに感じる乳房は思ったより張りがあり、揉み込む指を弾力的に押し返してくる。
熟れた大人の乳房とは異なる初々しい肉の感触に、貴史はよけい恍惚となった。
夏海に胸を押されてようやく口を離す。二人の唇の間に、粘つく唾液の橋がかかった。羞恥のせいか、それとも興奮か。夏海の美貌はほんのりと紅潮し、濁った瞳には初めて目にする妖しい欲情の色がある。
「こっちに来て」
夏海は貴史の手を取り、先に泳ぎだした。足の着く場所だからと言われ、貴史も安心して平泳ぎで水を掻く。一人ではおぼつかなかったろうが、片手を引かれているため、意外にスムーズに水が掻けた。夏海のスク水の背面は、見事なU字形のラインを描き、少女の肩と背中の一部を露わにさせていた。
夏海はひょうたん形をした滝壺の、女体のくびれみたいな部分を回り、さっきいた場所とは裏側に回り込んだ。くびれに似た箇所には大小の岩が連なり、目隠しの務めを果たしている。突然、温泉特有のイオウ臭が濃密に香り立った。さっきまで冷たかった水が温かなお湯に変わっている。
「ここにも温泉が出てるの。でも、こんなところまで誰も来やしないから平気」
夏海は言うと、清らかな水が飛沫をあげる滝壺を借景にした天然露天風呂のなかに座り、改めて貴史の唇を求めた。
「あう、あ、夏海ちゃん……」
「貴史……」
ちゅぱちゅぱ、ぴちゃ、ぢゅるぷ。口と口が密着する部分から唾液が溢れ、二人ともあっという間に口のまわりがベチョベチョになる。
「夏海ちゃん……んあぁ、こんなことされたら……僕もう……責任持てないよ……」
下品な音を立てて口を吸い、舌同士を戯れあわせて、うわずった声で言った。夏海は両手を貴史の首に回し、いっそう強く唇を押しつける。

出典:~魅惑の桃尻温泉郷 女子大生と恋の四角関係 (リアルドリーム文庫)

著者: 庵乃音人

「夏休みって何か予定ある?」密かに恋い慕う大学の先輩・祈里の誘いで訪れた山村。そこで青年は祈里の友人・志摩子の縁談を断るために偽りの婿候補として“お試し婚”をすることになる。祈里への恋心を抱えながらも縮まる志摩子との距離。さらに志摩子の妹も巻き込み、交錯する恋の行方は!?