その頃、捕らわれた佐和子は修道院の調理場にいた。
普段は屠った家畜の肉を吊るしておくために使う、天井の梁から下がった鎖の先の頑丈な鉄鉤──それに両手首を縛りあげた縄を括りつけられ、ブラジャーとパンティだけの恥ずかしい下着姿を中尉の前にさらしていた。
「捜しまわった甲斐があったよ、サワコ」
爪先立ちで真っ直ぐに吊られた彼女のまわりをゆっくりと歩きながら、中尉は会心の笑みを浮かべている。
その執念深さに、佐和子は背筋が凍りついた。
全土を掌握した占領軍に見つかることを恐れながら、出国のチャンスを待ってこの三ヶ月間を過ごしてきたが、まさかあの恐ろしいマスチフ中尉に捕まる破目になろうとは……。
出典:~敗戦国の人妻 (フランス書院文庫) ~
著者: 御堂 乱
「全員、裸で壁際に並んで、尻をこっちに向けろ」夫の目の前で、餓えた獣たちの餌食になる令夫人。愛する娘をかばうため、兵士に強姦される人妻。収容所内で淫らな性的拷問にかけられる美母娘。縛られ、穢され、弄ばれ……無残に横たわる裸身。敗戦国を舞台に御堂乱が描く壮大なハードロマン!