なぜ足を開かされたのか直感し、蒼白く鼠蹊の筋を攣らせた下肢をブルブルと慄わせる。
「ダ、ダメええっ」
「閉じるな。閉じたら──分かってるな?」
「許してええっ」
泣き叫ぶのもかまわず、中尉の指は漆黒の繊毛を掻き分け、恥丘の下部に刻まれた陰裂を探りあてた。左右の土手をつまみあげると、これ以上は無理というところまで秘貝を剥きくつろげた。
「見ろ、大使っ」
中尉は高ぶった声で怒鳴った。
「よおく見るんだっ」
「さ、佐和子おおっ……」
大使はカラカラに渇いた喉に声をかすれさせた。
自分の妻ではあるが、肉の合わせ目ですら明るいところで見たことはない。妖しく濡れた構造をこうもあからさまに見せつけられて、度胆を抜かれた。しばらく呆然と眼を見開いていたが、やがて「うううっ」と嗚咽して顔をそむけてしまう。慎み深い佐和子の恥辱を想うと、とても正視できなかった。
「ほれ、どうした?見ないのか?収容所に連れていかれれば、もう二度とは拝めないのだぞ」
つまみあげた美麗な花びらを、中尉はからかうように開いたり閉じたりしてみせる。そのたびに小豆粒大の肉の宝石が、露頭したり包皮に埋もれたりを繰り返した。秘口の周囲がねっとりと甘蜜で光っている。乱暴ではあるがツボを押さえた愛撫に女体が反応している証拠だった。
出典:~敗戦国の人妻 (フランス書院文庫) ~
著者: 御堂 乱
「全員、裸で壁際に並んで、尻をこっちに向けろ」夫の目の前で、餓えた獣たちの餌食になる令夫人。愛する娘をかばうため、兵士に強姦される人妻。収容所内で淫らな性的拷問にかけられる美母娘。縛られ、穢され、弄ばれ……無残に横たわる裸身。敗戦国を舞台に御堂乱が描く壮大なハードロマン!