夫のジョンを愛している。たとえ死にもまさる生き恥をさらそうとも、彼の命には代えられなかった。
「ううっ」
憤辱に耐えながら肩紐を外し、オリヴィアは光沢のあるサテン生地のドレスを脱ぎはじめた。
ガラス細工のように華奢な肩、信じられないほど細くくびれたウエスト、なめらかに官能のカーブを描く腰のライン──黒い布地が捲り下げられていくにしたがって、美しいスレンダーな肢体が現れる。シミ一つない清らかな肌は眼に沁みる白さ。オートクチュールの下着も輝くばかりの純白で、サイドには伯爵家の紋章をあしらった典雅なレース刺繍が入っている。
きついブラジャーのホックが外れると、ピッチリ押さえられていた乳房は意外にもたわわで、先端の乳首は夢のように淡いピンクだった。
銀色のティアラをつけ、前屈みで太腿の付け根を隠そうとするオリヴィアの姿は、明け渡された城の囚われの王女といった風情である。高貴な美貌が羞恥と屈辱で火と燃えていた。
出典:~敗戦国の人妻 (フランス書院文庫) ~
著者: 御堂 乱
「全員、裸で壁際に並んで、尻をこっちに向けろ」夫の目の前で、餓えた獣たちの餌食になる令夫人。愛する娘をかばうため、兵士に強姦される人妻。収容所内で淫らな性的拷問にかけられる美母娘。縛られ、穢され、弄ばれ……無残に横たわる裸身。敗戦国を舞台に御堂乱が描く壮大なハードロマン!