初美は一時もはやく人目のない所へ行きたかったが、達也はよりによってひときわ人の姿が多い時計台の下で、初美を手招きして動こうとしない。
「達也くん……他に行きましょう」
初美がそう言っても、逆に手をつかまれて達也の横に引っ張られてしまう。
「そうあせらないでよ、初美さん。まずはノーパンで来たか確かめないとね」
いきなり達也の手が、後ろから初美のミニスカートのなかへ伸びた。
「あ……」
初美は声をあげかけて、あわてて唇をかみしめた。
初美の後ろは時計台の柱とはいえ、そこら中に待ち合わせの人であふれている場所でミニスカートのなかに手を入れられるなど信じられなかった。
初美はあらがうことも逃げることもできなかった。まわりの人波の目がこわかった。それでなくても美しい初美は、男たちの目を釘付けにしている。
「や、やめて、こんな所で……達也くん、いや……」
ほとんど声にならず、初美はすがるような声で隣りの達也を見た。
「こういう所だとスリルがあって、余計感じるんじゃないの、初美さん」
達也はニヤニヤと笑いながら、ミニスカートのなかでしつこく初美の裸の双臀を撫でまわしつづけた。
「本当にいい尻してるね、初美さん。毎日触っても飽きないよ。フフフ、肛門セックスを知って、また一段とムチムチしてきたみたいだね」
「ああ、言わないで……」
初美はまわりに聞こえはしないかと、生きた心地もない。
著者: 結城彩雨
(あの子に見られたりしたら、私たち、破滅よ……)背後から息子の悪友に貫かれ、恍惚に喘ぐ初美は、誰にも見せたことのない淫らな牝の顔を浮かべていた。体育館、通学電車、寝室…時と場所を選ばない狼たち。最後の矜持を振り絞る美母の想いを打ち砕くように、物陰から覗き見ている我が子の手には浣腸器が!
