貴史の前まで来ると、湯船のなかに膝立ちになり、お湯から上体を露出させた。
お湯まみれになったたわわな巨乳は、朝露をまとったもぎたての果実のようだった。野苺のように大ぶりなピンク色の乳首は、すでに完全に痼りきっている。
祈里は天使のような表情で柔和に微笑み、貴史に向かって両手を広げた。
「おいで」
身も心も、完全にとろけてしまうかと思うような多幸感に包まれた。
貴史はぬめるお湯を掻き分け、祈里に近づいた。両手を広げ、愛しい年上の美女のお腹に手を回し、豊満な乳房に顔を埋めて抱擁する。
「あんっ……」
そんな貴史の、子供じみた性急さにたじろいだ声を上げつつも、祈里はおかしそうに笑い、貴史の頭を抱きしめ、愛おしげに頬ずりをする。
「ごめんね、貴史くん。わたしのせいで、いっぱい悩ませちゃって……」
優しく髪を梳きながら、幼い子供に言うように問われた。
「違います。先輩のせいじゃないです」
貴史はマシュマロを思わせる乳房の柔らかさと量感、お湯にまみれたぬるぬるした感触に恍惚とし、痺れるような幸せを感じながらかぶりを振った。
出典:~魅惑の桃尻温泉郷 女子大生と恋の四角関係 (リアルドリーム文庫) ~
著者: 庵乃音人
「夏休みって何か予定ある?」密かに恋い慕う大学の先輩・祈里の誘いで訪れた山村。そこで青年は祈里の友人・志摩子の縁談を断るために偽りの婿候補として“お試し婚”をすることになる。祈里への恋心を抱えながらも縮まる志摩子との距離。さらに志摩子の妹も巻き込み、交錯する恋の行方は!?