(それにしても、何て身体をしてるんだ……)
貴史はなかば陶然としながら、全裸の天使に見とれた。天井のように生い茂る樹木の枝葉の隙間から差し込む太陽光は、徐々に茜色へと変わりつつあった。
その光を浴びた少女の裸体は、光と影のコントラストでダイナミックな凹凸がより鮮明になり、乳房や尻の豊満さをいっそう強烈に貴史の目に焼きつける。
少女は自分の身体をチェックすることに飽きると再び肩まで湯に浸かり、ゆっくりと平泳ぎを始めた。蛙のような、見方によってはかなり劣情をそそられる泳ぎ方で、白い湯気に煙けぶる清流のなかをすいすいと気持ちよさそうに泳ぎ回る。
(あぁ、ふともも……あんな風にがに股に開いて……おっぱいも、手でお湯をかくたびに川のなかでゆらゆら揺れてる……)
雄々しく反りかえったペニスが心臓の拍動に合わせてリズミカルに疼いた。自分がオナニーをしたくなっているのに気づき、貴史は慌てて淫らな欲望を抑えつける。
(でも……くうぅ……)
オレンジ色の光を浴びた肉感的な裸体が妖しくぬめ光りながら、まん丸に盛りあがった尻を貴史の方に向けてお湯をかく。健康的なふとももが大胆ながに股に開かれるたびに双子の肉尻がお湯から飛び出した。縮れた陰毛が海草みたいに揺れる眺めも見えれば、少女のもっとも秘めやかな部分もちらちらと見え隠れし、貴史はつい、卑猥な局部をもっとしっかり見てみたいという欲求に憑かれてしまう。
(もう少し……もう少しで見えるのに……ううっ……)
扇情的な光景に磁石のように吸い寄せられた。美少女の股のつけ根にある恥裂に誘われ、つい木陰から身を乗り出し、一歩踏み出してしまう。
バキリ──その途端、踏みしめた枯れ枝が乾いた音を立てて折れた。
「ハッ──!?」音に気づいた少女は泳ぐのをやめた。
慌てて胸と股間を隠し、清流のなかで身を縮めてこちらを振り返る。
出典:~魅惑の桃尻温泉郷 女子大生と恋の四角関係 (リアルドリーム文庫) ~
著者: 庵乃音人
「夏休みって何か予定ある?」密かに恋い慕う大学の先輩・祈里の誘いで訪れた山村。そこで青年は祈里の友人・志摩子の縁談を断るために偽りの婿候補として“お試し婚”をすることになる。祈里への恋心を抱えながらも縮まる志摩子との距離。さらに志摩子の妹も巻き込み、交錯する恋の行方は!?